日本では撲滅したはずの麻疹(はしか)が再流行しています(2019/2月)。
なぜ麻疹(はしか)が流行するのか?
その発生原因と麻疹(はしか)の症状、発症した時の対処法と予防する方法をご紹介します。
麻疹(はしか)とは
麻疹(はしか)は、主に乳児期後半から学童期の子供に多い疾患で、パラミクソウイルス科に属するウイルス(麻しんウイルス)が、人から人に感染することによって引き起こす感染症の一種です。
主に空気感染により拡がっていく感染症で、マスクをしても感染を防ぐことは難しいと言われていて、感染力が非常に高く免疫を持っていない人と感染者(患者)が同じ部屋にいた場合、ほとんど感染すると考えていいでしょう。
また麻しんウイルスは、感染すると不顕性感染(ふけんせいかんせん:症状が現れず病原体が死滅して発症しないこと)は、ほとんどないようです。
潜伏期間
だいたい9〜12日程度
麻疹(はしか)の症状
・38℃前後の熱
・目ヤニ、目の充血
・口の中の頬粘膜に白い斑点がでる(コプリック班)
・体中に発疹
麻疹(はしか)の初期症状は、鼻水やくしゃみ、発熱など風邪に似た症状が出ます。
その後、口の中に白い斑点が出て3〜4日後には熱が一旦下がっていきますが、半日後には再び熱が上がっていきます。
この頃に全身に赤い少し盛り上がった発疹が現れます。
10日前後で熱が下がり発疹も消えていきますが、発疹の跡が色素沈着して残ります。
この跡が消えるまで外出はできません。
また合併症(全体の30%程度)として肺炎や中耳炎、脳炎などが起こる場合も考えられます。
麻疹(はしか)の対処法
麻疹(はしか)は感染症なので治療薬がなく、対症療法(症状を軽減させる対処)しかありません。
頑張って体がウイルスに勝つのを我慢するしかありません。
合併症を引き起こした場合は、抗菌剤など合併症に合わせた治療が行われます。
それではどのような対処法があるのでしょう。
水分を十分とる
発熱により大量に汗が出るので、脱水症状を起こさないために、こまめに水分を補給するようにしましょう。
また食欲がない場合も多く見られます、野菜ジュースや果汁ジュースなどでビタミンなどを補えるようにしましょう。
頭や体を冷やす
発熱があるので、頭部や脇を冷やしてあげると楽になるでしょう。
しかし体が熱いのに手足が冷えることが多いので手先や足先が冷えないように注意しましょう。
麻疹(はしか)を予防する方法
ワクチンを打つ
予防するにはワクチン予防接種しかありません。
ただし注意する点があります。
・2回接種しないと免疫がつかない
・1回のワクチン効果は約10年程度
・一度かかった人でも免疫は30年しか持続しない
乳幼児がかかりやすいと言っても大人も安心はできません。
子供の時にワクチンを打っていても効果が切れているかもしれませんし、かかってから30年以上経過していたら発症する可能性もあります。
わからない場合は、母子手帳を確認するようにしましょう。
人の多いところに行かない
発症が流行している地域で、人が多く集まる場所には行かないようにしましょう。
感染力が非常に高いので、簡単に空気感染してしまいますし、マスクや手洗いうがいでは防ぐことができません。
病院にすぐ行く
感染者と接触してしまったことがわかった場合、すぐに病院に行き対処してもらいましょう。
症状が出る潜伏期なら、接触してから72時間以内にワクチンを接種すれば発症を防ぐことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
麻疹(はしか)は非常に感染力が高い感染症だということがわかりました。
流行している地域などには極力行かない方が安全です。
予防のおさらいです。
・2回接種しないと免疫がつかない
・1回のワクチン効果は約10年程度
・一度かかった人でも免疫は30年しか持続しない
大人も安心はできない病気なので十分に気をつける必要があります。