ヒートショックってご存知ですか。
入浴中に具合が悪くなり、溺れて死亡する現象ですが、そんなヒートショックでの死亡数が増えているんです。
死亡数が増えている原因と、ヒートショックを未然に防ぐ予防法をご紹介していきます。
ヒートショックで死亡数が増えている原因
なんと交通事故の4倍
年間で全国19,000人もの人が、ヒートショックに関連した入浴中の事故で死亡に至ったと推計されています。
この死亡者数は、年間の交通事故による死亡者数のなんと4倍以上にもなり、さらに夏場のヒートショックでの死亡件数の約11倍となります。
それでは、主な原因を探っていきます。
気温差が原因
ヒートショックの主な原因は、急激な気温差によって血圧が大きな変動をするのが原因です。
急激に気温が変化すると、血圧の急上昇と急降下が起こり体調が悪くなってしまいます。
特に冬場などは、暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室などに移動した時に、血圧が急上昇し湯船に使った瞬間に血圧が急下降してしまい気を失うことで溺れてしまいます。
それでは血圧が上がる理由と下がる理由を詳しく見ていきましょう。
血圧が上がる理由
暖房が効いていない冬場の脱衣所や浴室では、室温が10度以下になることがあり、その場で衣服を脱ぐと身体の表面の温度が急激に下がり、身体が寒冷刺激を起こし血圧が急激に上がってしまいます。
この血圧の急上昇が、心筋梗塞や脳卒中を引き起こしヒートショックの一つの原因とされています。
血圧が下がる理由
逆に血圧が下がる原因は、血圧が急上昇した状態で暑い湯船に浸かることで、血管が拡張し血圧が急激に低下します。
こんな症状が出たら注意!
立ちくらみのような症状が出たら、血圧の急激な変動があった可能性があり危険です。
失神や心筋梗塞などの前触れかもしれませんので助けを呼びましょう。
ヒートショックになりやすい人や環境
ヒートショックが起こりやすい人は下記の通りです。
・生活習慣病がある人
高血圧、肥満症、糖尿病などの生活習慣病がある人は要注意です。
またヒートショックが起こりやすい環境は
普段過ごす部屋と脱衣所や浴室に気温差があり過ぎると、急激な血圧の変化が起こりやすくなります。
高齢者の方は高血圧の方が多いことや、高齢者層ほど築年数が古く機密性の低い家に住んでいる傾向にあり、脱衣所や浴室の気温差が激しく非常に危険な入浴をしているのが現状です。
ヒートショックを予防する方法
脱衣所や浴室を暖房する
小型のヒーターなど暖房器具で脱衣所や浴室を暖めましょう。
浴室は扉を開けておいて一緒に暖めるか、高い位置からシャワーでお湯をためると浴室全体が湯気で暖まります。
湯船のお湯を41度以下にする
寒いところから急に熱いお湯につかると、血圧が急降下してしまうので、ぬるめのお湯に設定してください。
38度くらいを目安にするといいと思います。
湯温が設定できない場合は、一度「温度計」で測るなどして感覚をつかみましょう。
食後や飲酒後の入浴を避ける
食後やお酒を飲んだあとの入浴はやめましょう。
食事の後や飲酒後は、基本的に血圧が上がっています。
急な血圧の変動を防ぐために、食後や飲酒後の入浴は避けましょう。
深夜や早朝の入浴を避ける
深夜や早朝は気温が下がっています。
この時間帯も急激な血圧の上昇、下降を起こしやすい状況なので、寒い時間帯を避けてシャワーや入浴をしましょう。
かけ湯をする
掛け湯をするとヒートショックを防げます。
湯船に入る前に手足など身体の末端から、かけ湯をしてお湯に体を慣らしましょう。
その際も熱いお湯は避けて、ぬる目のお湯をかけるようにすると効果的です。
ゆっくり湯船に出入りする
湯船に入るときや出るときは、急に出入りせずゆっくりと行動するようにしましょう。
ジャボーンと入ったりザバッと動いて出ると急激な血圧の変動に繋がります。
家族にひと声かけておく
家族と一緒に住んでいる場合は、ひと声かけてから入浴しましょう。
これは異変にすぐ気づいてもらうためです。
いつもより入浴時間が長かったり、ちょっとした音など異変に気づいてもらえます。
まとめ
毎年のようにニュースで取り上げられていますが、なかなか認知度が上がらないヒートショック。
ますます高齢化社会になり毎年のように増えています。
急激な気温差による血圧の急激な変動が原因でしたが、ちょっとしたことで防げます。
防ぐ方法をおさらいです。
・湯船の温度をぬる目にする
・食後や飲酒後の入浴を避ける
・深夜や早朝を避ける
・かけ湯をする
・ゆっくり湯船に出入りする
・家族に入浴を伝えとく